伝えたい「食」のコト

田んぼの神様「さんばいさん」をお迎えする料理

2017.5.15

今、田植えは機械で行うのでずいぶん楽になりましたが、昔は手で植えていたのでたいへんな重労働でした。
ひとつの家族で広い田んぼに苗を植えるのはたいへんなので、集落で「田植え組(結・ゆい」」をつくり、みんなで助け合って行っていたそうです。

田植えのときは、まず田んぼの神様「さんばいさん」をお迎えします。
さんばいさんに、朴の葉で包んだきなこむすびや豆むすび、ちしゃもみやたけのこ、フキの煮しめなどをつくって、さんばい料理としてお供えし、みんなもお相伴に預かりました。
神様も人も、同じものを食べていたんですね。

また、たこの刺身を食べる地方もあったようです。
これは「たこの足のように、稲の株がよく張るように」「たこのイボのように、たくさん籾がつくように」と縁起をかついでのことでした。

田植えが終わると、「泥落とし」「しろみて」といって、田んぼの神様を送り、五穀豊穣を祈るお祭りが集落ごとに行われました。
「しろみて」の「しろ」は植田(田植えを済ませた田んぼ)、「みて」は「満てる」で完了という意味です。
箱寿司やばらずし、サバの刺身、しばもちなどが振る舞われ、一緒に田植えをした人達がお酒をくみかわしました。

農作業がひと区切りしたことにお互いに感謝し合い、絆をより深める大切な行事だったのですね。

日本には、四季折々の年中行事や歳時習俗があります。行事食はその土地の気候や風土が育み、生活の知恵が詰まった文化です。
自然の恵みに感謝し、家族の幸せや健康を願い、旬の食材を使って作られてきた料理は、母から子へ、子から孫へと伝承されてきました。
どこか懐かしい節句のお菓子、おばあちゃんとの何気ない会話…。産直市ではそんなことを通じて、「ふるさと」の食のヒントを見つけることができます。
私たちは、毎月第1土曜日の「JA産直市の日」を、「ふるさと、”再”発見の日」と定めました。先人たちが大切に守り続けてきた食文化と、ふるさとの「美味しい」 を見つけに、どうぞ産直市へお出かけください。

参考文献/広島地域文化研究所「広島の歳時習俗と食事」
     農文協「聞き書 広島の食事」

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